【♀】ヒキガネ　01 / I know, don’t know.

踵に纏わる夜の残滓は、扉に辿り着く前に振り落とさねばならない。　背中に追い縋る…

【♀】ヒキガネ　02 / Lunch or Die.

本日は晴天なり――という言葉が良く似合う、月曜日の昼下がり。　街のメインストリー…

誰かの視線を感じた気がして、了は胡乱な意識のままで窓を見た。　ソファに寝そべって…

それは、まだ彼と彼と彼女が出会う前まで遡る。　空から針が降ってくる。　痛まぬ場…

拳を叩き付けるのはもう飽きた。バクラはフィアット５００のハンドルに頭を持たれ掛け…

どうすれば彼女を止めることが出来るのか。バクラと会わせずに済むのか。了は必死で考…

了の泣き声はなかなか止まない。もういい加減止まれと思って何度もしゃくりあげるが、…

フィアットがひと気のない車道を滑る間、バクラは一言も言葉を発しなかった。　ぽつぽ…

「……ばかじゃないの？」「面目ねえ」　心底呆れました、という顔をする了に、盗賊王…

ボクの心を手に入れたら、あいつはボクに興味がなくなったようだった。　好き、と…